―ガチャッ―

お兄ちゃんは勢いよく立ち上がって部屋のドアを開けた。

「引き取ってもらわなくていい。唯と二人で暮らしてくから。」

「な、涼・・・あなた名に言ってるの???まだ大学生よ!!」

ママは微笑して言う。

「父さんとの間に出来たガキなんて育てたくないんだろ!?だったらもう指図すんじゃねぇよ!!!」

私は初めて聞いた。

お兄ちゃんがあんな力強く怒鳴るなんて。

「おい涼!親に向かってその口はなんだ!!?」

「は、親?今更父親面してんじゃねぇよ。さっきまで俺等の事押し付けあってたじゃねぇか。それが子供に対して親がする事かよ!!」

ちょっと言い過ぎだと思ったけど、もっともな事だった・・・・。

「・・・それもそうだな。お前達二人はこの家を使いなさい。父さんが出て行くから。」

パパは寂しそうな表情で、ゆっくりと荷造りを始めた。

そしてママも・・・。