「よし。もし離婚して、どっちが誰を引き取るとかそんなんで揉めたら、俺が唯を引き取るから。」

・・・・。

嬉しかった。

私はお兄ちゃんにいっつも助けられる。

実現しなくても、言葉だけですっごく優しい気持ちになるんだ・・・。

まるで・・・魔法の言葉みたいに。

「うん。ありがと・・・。」

―ドタドタドタドタッガタンッッ―

誰かが階段を上がってきて、勢いよくドアを閉める音が聞こえた。

「あたし、出て行きます!こんな家、いたくもないわ!!」

エ・・・・。

「おい!子供を押し付ける気かよ!!?冗談じゃない!!」

そんな。

「あたしだって嫌よ!!あなたとの間で出来たガキなんて育てたくないわ!!!!」