「お、今日は優しいね初瀬さん」

「今日はは余計」

私は冷蔵庫に在ったオレンジジュースをコップに注ぐ。

「・・・ここは、両親とも暮らしてた家なのかい?」

「あぁ。兄貴も私も、この家で生まれ育った」

「そっかぁ。思い出とかいっぱいあるでしょ・・・」

「・・・・まぁね」

思い出・・・。

殆どがママやパパが関わることだらけだ。

「お兄さん、優しいでしょ」

「・・・そだけど、なんで?」

月丘は天井を見上げて言う。

「家と学校じゃ雰囲気が違うようなきがする。家の方が、素の自分を出せるんでしょ」

「・・・・うん」