いつの間にか、月丘は側まで来て私の肩に手をやる。

私は睨みつけた。

「・・・離せ」

「目を見て!」

「っ!!」

肩を力強く掴まれ、大声を出す月丘。

「痛いっ・・・離せったら!!触るな!!」

私は月丘を真っ直ぐ見る。

しばらくして、手の力が弱まり、月丘の顔も穏やかになってきた。

そしてにっこりと笑う。

「ごめん、怒鳴ったりして」

月丘は、一旦私から離れて振り返ってまた笑った。

・・・・・私はあの顔が嫌いだ。

何か誤魔化す様に歪むあの口が無性に苛立つ。