なんなの、あの人。



これが私の加瀬への印象だった。






とにかくめんどくさい人。
関わりたくない。
これが本音だった。







「…市原!明日からな!」







「…。」







「図書室で待ってるからな!」







大きな声は廊下に響き渡り、誰もいない校舎にこだまする。







「…分かってるわよ。」







加瀬には聞こえないように、小さくつぶやいた。







「…ふぅ。」







「なーなせ!」







「萌愛!聞いてよ〜。」







萌愛は私の幼なじみで唯一心を許せる存在。
いつも明るくて人気のある子。







「ふーん。七瀬はどうして嫌なの?」







「だって…しつこいし。」







「んー、私だったら夢見せてくれるの楽しみにしちゃうけどなー。」







なんて笑っていう萌愛