「市原七瀬。加瀬斗牙。二人居残りな。」






「…最悪。」









私は市原七瀬。
18歳。
今受験を控えた大切な時期で、進路を決めなければならない。

だけど、私とこの加瀬斗牙だけ決まらなくて。
呼び出しをくらった。








「…早めに済ませてください。」









「まぁそう言うな。で、進学先はどうするんだ?」








「…そこらへんの行ける大学でいい。」








「市原〜…、お前頭いいのにもったいないぞ。」








私は何事にもやる気がなくて、いつも考え直せと言われていた。









「で、加瀬は…」








「だから、俺はT大に行きたいって言ってんじゃんか!」








「…だから無理だって言ってるだろ。」









加瀬は、逆に目標が高すぎて考え直せと言われていた。
わたし達は正反対だった。



きっと、やる気のない私を、加瀬は嫌っていたと思う。








「そうだ、市原。お前自分の勉強がてら加瀬に勉強教えてやってくれないか?」








「は?」







「T大は無理でもほかはいけるかもしれんからな。そして、お前の心変わりの為にも。」







そう言って、変なお荷物を任されてしまった。