「あはは、そうだな。でもこれだけは伝えたいんだ。
俺がこの世から去る時が来たら詩茉は日本に戻そうと思っているんだ。」
「それなら僕だって!」
「いや、千景君は残りなさい。
千景君の才能をこんなところで潰すわけにはいかない。
こっちで結果を残すんだ。
詩茉もそれを望むから。」
「でも、、、。」
「大丈夫。詩茉は俺の子だよ?
俺に似てあの子は負けず嫌いで何より自分より相手を優先する。
千景君が夢を諦めたと聞いたらあの子は悲しむ。
これは俺が言えたことじゃないが、あの子をこれ以上悲しませないでくれ。」
先生は真剣で、でもどこか悲しい目をしていて、僕は頷くしかできなかった。