倉庫の前につくと
大きな扉があった。
そこを開けると
中にはカラフルな頭の
これまた怖そうなお兄様だらけ。
でもこの人達みんな
私の横のお兄様を見るなり
「おつかれっす!」
とか言いながら
道をあけている。
そこを堂々と歩く、この横のお兄様。
そして後ろから聞こえる他のお兄様の声。
「誰?あの女」
「知らねぇ。初めての顔だな」
「玲弥さんの女じゃねーか?」
「いや、そりゃねーだろ」
って、全て聞こえてるよ。うん。
私の腕を引っ張るこのお兄様は
玲弥さんって言うんだ。
ふーん。
名前までかっこいい…
ここまで完璧な男の人って
この世にいるもんなんだね。
なんか感激した。
なんで、心の中で感激してると
いきなり玲弥さんが止まった。
ある男の人の前で。
「玲弥じゃーん」
目の前の男の人はいかにも寝起きっす!
みたにボサボサの髪で
ダボダボのスウェット
目は半分もあいてない。
でもこれまたイケメンさん。
普通の男の人がしたら
えっ…って思うこの格好でも
この人だとなんか可愛らしいと思ってしまう。
しかし、なんだろう。
この視線の塊は。
皆さんから見られてるじゃないですか。
目の前の男の人からも。
私はちょっとだけ玲弥さんの背中に隠れた。
その途端、玲弥さんが私の腕を引っ張り
目の前に突き出された
「ん、杏奈だよ」
…ん?待って。
なんで玲弥さん私の名前知ってるの?
私名前教えたっけ?
え?
な、なんで?
「やっと見つけたか。おせぇ、ばか」
「いやいや、バカはおめぇだろ。來輝」
二人して、なんか変な会話してるけど。
何事?
來輝…?
ん?
どっかで聞いたことある…
來輝…らいき…ライキ
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
思い出した。
私の突然の叫び声でそこらへんに
いたお兄様たちが
びっくりした声がした。
それより
なんで?
ここに
來輝がいるの?
ずっとどこにいたの?
ずっとずっと探してたのに。
ずっとずっと会いたかったのに。
來輝は
私の血はつながってないけど
双子の兄なのだ。
「思い出したか?あんころ」
ニヤリとする來輝。
最後にあったのは
私たちが六歳の時。
それまではずっと一緒にいたのに。
毎日一緒に寝て
毎日バカばっかして。
本物の兄妹に負けないくらい
仲が良くて、幸せだった。
私の父と來輝のお母さんは
子持ち同士の結婚だったから。
來輝はお母さん側に行くことになる。
そのお別れの時が最後に來輝を見た日。
あれからもう軽く10年は経つかな?
なんか
変わり果てた、來輝。
気づくわけ無いじゃん。
あの時は真っ黒だった頭が
今じゃまっ金金だし。
ピアスもしてるし
髪も襟足だけ伸ばして…
身長だってあの頃は私と同じくらいだったのに。
私をはるかに追い越して
玲弥さんと同じくらいの身長になってる。
なにもかも、ほんとに変わった。
でも、
1つだけ変わってないな。
私のこと「あんころ」って呼ぶところ。
昔っから、私のことをあんころと呼んできた。
なんか懐かしくて、
あの頃の幸せな家族を思い出したら
涙が溢れたしてきた。
「え!?ちょ、おい!」
横で玲弥さんがオロオロする。
そして來輝は
「泣いてんじゃねーよ、あんころ 」
優しく包んでくれた。
「悪かったな。あんころ」
抱きしめられたまま、謝りだした來輝。
來輝に謝られる理由も見つからず。
「なにが?」
と聞き返すと
頭をポンポンっとされて
「…ぜってぇ許さねぇ、あのくそ野郎」
聞こえるか聞こえないかの声で
そう呟いた來輝は
私を強く強く抱きしめてくれた。
大きな扉があった。
そこを開けると
中にはカラフルな頭の
これまた怖そうなお兄様だらけ。
でもこの人達みんな
私の横のお兄様を見るなり
「おつかれっす!」
とか言いながら
道をあけている。
そこを堂々と歩く、この横のお兄様。
そして後ろから聞こえる他のお兄様の声。
「誰?あの女」
「知らねぇ。初めての顔だな」
「玲弥さんの女じゃねーか?」
「いや、そりゃねーだろ」
って、全て聞こえてるよ。うん。
私の腕を引っ張るこのお兄様は
玲弥さんって言うんだ。
ふーん。
名前までかっこいい…
ここまで完璧な男の人って
この世にいるもんなんだね。
なんか感激した。
なんで、心の中で感激してると
いきなり玲弥さんが止まった。
ある男の人の前で。
「玲弥じゃーん」
目の前の男の人はいかにも寝起きっす!
みたにボサボサの髪で
ダボダボのスウェット
目は半分もあいてない。
でもこれまたイケメンさん。
普通の男の人がしたら
えっ…って思うこの格好でも
この人だとなんか可愛らしいと思ってしまう。
しかし、なんだろう。
この視線の塊は。
皆さんから見られてるじゃないですか。
目の前の男の人からも。
私はちょっとだけ玲弥さんの背中に隠れた。
その途端、玲弥さんが私の腕を引っ張り
目の前に突き出された
「ん、杏奈だよ」
…ん?待って。
なんで玲弥さん私の名前知ってるの?
私名前教えたっけ?
え?
な、なんで?
「やっと見つけたか。おせぇ、ばか」
「いやいや、バカはおめぇだろ。來輝」
二人して、なんか変な会話してるけど。
何事?
來輝…?
ん?
どっかで聞いたことある…
來輝…らいき…ライキ
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
思い出した。
私の突然の叫び声でそこらへんに
いたお兄様たちが
びっくりした声がした。
それより
なんで?
ここに
來輝がいるの?
ずっとどこにいたの?
ずっとずっと探してたのに。
ずっとずっと会いたかったのに。
來輝は
私の血はつながってないけど
双子の兄なのだ。
「思い出したか?あんころ」
ニヤリとする來輝。
最後にあったのは
私たちが六歳の時。
それまではずっと一緒にいたのに。
毎日一緒に寝て
毎日バカばっかして。
本物の兄妹に負けないくらい
仲が良くて、幸せだった。
私の父と來輝のお母さんは
子持ち同士の結婚だったから。
來輝はお母さん側に行くことになる。
そのお別れの時が最後に來輝を見た日。
あれからもう軽く10年は経つかな?
なんか
変わり果てた、來輝。
気づくわけ無いじゃん。
あの時は真っ黒だった頭が
今じゃまっ金金だし。
ピアスもしてるし
髪も襟足だけ伸ばして…
身長だってあの頃は私と同じくらいだったのに。
私をはるかに追い越して
玲弥さんと同じくらいの身長になってる。
なにもかも、ほんとに変わった。
でも、
1つだけ変わってないな。
私のこと「あんころ」って呼ぶところ。
昔っから、私のことをあんころと呼んできた。
なんか懐かしくて、
あの頃の幸せな家族を思い出したら
涙が溢れたしてきた。
「え!?ちょ、おい!」
横で玲弥さんがオロオロする。
そして來輝は
「泣いてんじゃねーよ、あんころ 」
優しく包んでくれた。
「悪かったな。あんころ」
抱きしめられたまま、謝りだした來輝。
來輝に謝られる理由も見つからず。
「なにが?」
と聞き返すと
頭をポンポンっとされて
「…ぜってぇ許さねぇ、あのくそ野郎」
聞こえるか聞こえないかの声で
そう呟いた來輝は
私を強く強く抱きしめてくれた。