どれだけ走ったかわからない。

なぜなら

半分意識が飛んでたから。

そんな

バカみたいな運転をしたお兄様が

連れてきてくれたのは、なんか

大きな倉庫が沢山ある広場。

「んっ、ついた。」

「えっ、ちょ…待って」

ヘルメットを外そうとしてたのに

そのまま腕を引っ張られ

倉庫へと向かった。

倉庫に近づくたび、大きくなってく

人の声。

なに?

大勢の声が聞こえる。

パーティーでもしてるのか?

こんな倉庫で?

いやいや。

それはないだろ。

だってここ

どっからどう見ても倉庫だよね?

え、そしたら私何されるの?

も、もしかして。

反射的に私は歩みをやめてしまった。

私の腕を掴んでたお兄様も

自然に止まる形になる

「うわっっ」

とかいいながら。

「な、なにするんですか?」

少し怖くなり自然と声が震えてしまう。

「心配すんな。お前なんか襲う趣味もねぇ。しかもこの中にいる奴は皆いい奴ばっかだから、安心しろ」

なーんて。
私の心を見透かしてのか、このお兄様は。

そしてまだ歩き出す。

やっぱまだ怖いけど、

なんやかんや死ぬのを止めてくれた方

それを考えたら

ちょっとだけ

このお兄様に感謝の気持ちが芽生えた。