私は目をつむり。

終わりへのカウントダウン。







・・・

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
ま、まて!おい!」

「ん????」

落ちようと体を傾け手を離そうとした瞬間
下から声がした。

下には

赤髪のいかにも怖そうなお兄様。

が、なんかオロオロしてる。

てか横にイカチー単車あるし、

なんで。

こんなの落れないじゃん!

なんか怖いじゃん!

なんでこんなタイミングで来るの?

死んですべてが終わるはずだったのに

余計なこと考えて死のうにも死ねず。

いや、

たぶん。

まだ死にたくないんだ、と思う。

自分自身。

だけど、

今の生活を終わりにしたくて・・・って

赤髪のお兄様が歩道橋を上がってきた。

ここは逃げなきゃと、なぜか思い

私はお兄様とは反対方向に
走っていった。全力で。

「あっ!ちょ…まて!逃げんな!」

男の人にしてはちょい高めの声、だな。

いや、そんな余計なことより

今はまず逃げなきゃ。

っていう思いは

走り出して

10秒で打ち砕かれた。



「おめぇ足おせぇな…よかった」

なーんて言うお兄様。

いやいや。

あなたが速いんですよ!

なに?

あの高速階段上り

何段飛ばしできたんですか?

ってくらい速かった。

いや、そんなことより。

こんな怖いお兄様に腕を掴まれてる。

一刻も早く腕を開放してほしい。

そんなお兄様を見上げると

すごい、美形男子。

髪もサラッサラだし。

肩まで伸びてる髪は風が吹く度に

綺麗になびいている。

身長も結構高い。

185はあるでしょ、これ。

とにかく高い。

そしてなんかほんとにイケメン。

なんか恥ずかしくなってきた。

腕を外そうとしたら

「ちょ、来い」

今さっきより真剣な声で

お兄様は私の腕を引っ張りながら

歩道橋を降りていった。

降りるなり、

「んっ」てヘルメットを渡された。

なにがなんかわからなくて

ぽけーってしてると、

「はよ乗れ」

って後ろのシートをバンバン叩いた。

いや。

乗れとか言われても

どー乗ればいいの?

「あのー、どう乗ればいいんですか?」

我ながら恥ずかしい。

今時の女子高生がバイクの

乗り方すらわからないって…

すると

お兄様は私を軽々持ち上げ

後ろのシートへポンっておいた。

そして私が座ってつかの間

「ちゃんと捕まっとけよ?」

顔が見えなくてもニヤッとしたのがわかった時には

猛スピードで走り出す

バイクに意識を失いかけてた。