目がチカチカ?
「アンタが理恵子さんの為にデザインした薔薇、すっげえチカチカする色合いだろ」
「そうですか?」
普通だと思うのだけれど、と首を傾げていたらお弁当の中のウインナーを奪われた。
「あっ」
「ちゃんとタコ型にしてるとか、細かいな」
「勝手に食べないでくださいよ。パンがあるのに」
「交換する? 会社に売りに来るけど、駅で買うとなると並んで売り切れで殆ど買えない人気の品だ」
視線をパンに向けると、まだ温かいのかビニール袋の湯気がついているチョコフランス、シナモンロールにエビとアボカドのサンドイッチ。
どれも涎が出そうなほど美味しそう。
田舎臭い、ダサいお弁当は毎日食べるのは確かに飽きているけど、でも。
「じゃあ、交換ってことで」
嬉しそうに新さんは私のお弁当を持ち上げるとパンを私のディスクへスライドさせた。

「今、紡と二人きりだから全然自炊しなくてさ、しても酒の摘まみ程度。あいつとか霞みでも食べてるのかってぐらい家じゃ日本酒だけだしな。うわ、コレ美味い」
「それ、実家で大量に作って送って来る梅干しを種取って潰して肉で巻いただけですよ」
隣の肉じゃがは昨日の夜ご飯の残りだし。
御曹司である新さんには庶民過ぎて珍しいのかもしれないけど、ちょっと恥ずかしい。