「うん。やっぱこの色可愛いから買おうかな。新、AWのテーマカラーって何色だったかな」
「あ、こら、また勝手に買うなよ。外したら洒落にならんだろ! お前の買い方は」
「外したことないので」

余裕の副社長に、新さんがすぐに飛びかかったけど、副社長はすぐにひらりと身をかわすとパソコンを閉じる。

「てな訳で、買い付けに行ってきます。三日で纏めて帰って来るから」
「いい加減にしろよな、そのふわふわした性格!」
「三日で仕事教えといてね、緩奈さんに」

私の名前が出てきて、ついディスクから顔を上げると、楽しそうに副社長は出て行く。

「あの、副社長は何処へ?」
「副社長自ら、ジュエリーの買い付けだよ。しかも値切って安くしちまうからな。あの笑顔でホストとかしてたらもっと儲けてたかもな」
買い付けってまさか、海外じゃないよね?

「まあ、いっか。俺、これ終わらせてファックスしたらひと段落つくから、飯でも食いながら今後を話すとするか」
「今後?」

「お前にやってもらいたい仕事の話」