12月に入って一気に寒くなった。
コートに手を入れて街中を歩く。
今日は土曜日、学校が休みだからあたしは一人で買い物に来ていた。
「ありがとうございましたー!」
お気に入りの洋服屋さんでかわいいワンピースを見つけたから買っちゃった。
ちょっと高かったから当分節約生活だ。
そう思いながら道を歩いていた。
その時、
「ううッ」
突然、後ろからそんな声が聞こえた。
何かと思って振り返ると、後ろにいたおじいさんがいきなり倒れた。
「えっ!」
一瞬驚いてどうしていいかわかんなかった。
けれど、おじいさんが苦しんでいる姿を見たらハッとした。
「大丈夫ですか!!?」
おじいさんに駆け寄って肩を叩く。
けれどその瞬間、おじいさんはフッと意識をなくしたようにグッタリした。
「お、おじいさん!?おじいさん!!」
どうしようかと思って周りを見渡す。
けれど、周りの人は見てるだけ。
どうして助けようとしないんだろう。
「だ、誰か救急車っ!!」
そう言った時、人ごみの中から誰かが抜け出してきた。