真子先輩たちが修学旅行に帰ってきて、土日を挟んで月曜日。
めちゃくちゃだるかったけど、朝のメールで俺のその気分は一気に晴れた。
『今日放課後あいてるかな?いつものところにいてほしいんだけど…』
真子先輩からそんなメールが来た。
先輩がお誘いメールを送ってくるのは初めてだった。
「じゃあな!」
俺はHRが終わった教室をダッシュで出る。
階段を下りて、中庭に向かう。
真子先輩と『いつものところ』と言い合えるのが本当にうれしかった。
少し待っていると、こっちに向かう足音が聞こえる。
クルッと振り返ると…やっぱり。
「あ、隼人くんお待たせ」
そう言って優しく笑う真子先輩。
それにつられて俺も笑う。
「全然待ってないよ」
俺がそう言うと、先輩は俺の隣に座る。
そして、
「はい、お土産!」
そう言って、沖縄土産と書いてある袋を俺の手のひらに置いた。
えっま、ままままじか!?
「く、くれるの?お、ぼ、僕に?」
びっくりしすぎて、思わず俺って言いそうになった。
いや、別に俺でもいいんだけど…なんとなくまだ昔の俺を知られたくない。