「ん、うぅん」



あたしはゆっくりと目を開けた。

うとうとしてたら寝ちゃったみたい。

それにしても何かに寄り掛かって寝てたみたいだけど…



「おはよ、先輩」



寝起きのあたしの目の前に隼人くんの顔がある。

しかもちちちちちちち近いっ!!!



「はっ!隼人くんっ!!」



あたしはびっくりしすぎて思いっきり後ずさりをした。

そのせいで



「キャッ!」



バランスを崩して、そのまま後ろに倒れそうになった。

その時、腕をグイッと掴まれた。



「ちょ、先輩、慌てすぎ」



助けてくれたのはやっぱり隼人くん。

あたしの腕を掴んでベンチに座らせる。



「あ、ありがと…」



お礼を言うと隼人くんはニッと笑う。



「こちらこそありがと。先輩の寝顔いただいちゃった」



そう言って見せてきた自分の携帯の写メ。

そこにはなんとあたしの寝顔が!!



「ちょ!け、消して消して!!」



寝顔の写メとか恥ずかしすぎる!!!

あたしは立ち上がって一生懸命隼人くんから携帯を奪おうとする。

けれど、やっぱり背では叶わない。

あたしは思い切ってジャンプした。…けれど。