「ねぇ、知ってる?1年生にめっちゃ可愛い男の子がいるんだって」



だいぶクラスに慣れてきた4月の半ば、昼休みにあたしが雑誌を読んでいると秋がスキップをしながらやってきた。



「え~知らなーい」



そう言う話には全く興味のないあたしは雑誌を見ながらテキトーに答える。



「もう!真子だって女の子なんだよ!!少しは恋愛しなよ!!」



秋がプンプン怒りながらそんなことを言う。



「だって興味ないもん」



雑誌から目を離して秋を見る。

すると



「だってじゃな…あれ?真子、調子悪い?」



秋と目があった瞬間、そんなことを言われた。



「え?あたしなんかおかしい?」



「なんだかほっぺた赤いし、目がトロンとしてるよ?」



そう言われて気づいた。

確かに今日は朝からなんとなくだるい。

それにさっきから寒気もする。



「あ~もしかしたら昨日遅くまで寒い部屋でテレビ見てたから風邪ひいたのかも」



そう言うと秋が心配そうにあたしのおでこに手を当てる。

そしてびっくりしたように手を離した。



「ちょっ!真子!あんためっちゃ熱あるよ!!保健室行こう!!」



いきなりそう言われて保健室まで連れていかれた。