「あ、ほら先輩!りんご飴あるよ」
そう言って俺は先輩の手を引く。
先輩とはさっきから手を繋いだまま。
俺、手汗かいてないかな。
「りんご飴好き!」
そう言って笑う先輩を見て、俺は自然に笑みがこぼれる。
「おじさん!りんご飴一つください」
俺がそう言うとおじさんは笑って、
「ほぉ~やけに可愛い男の子だな。彼女も可愛いねぇ」
俺は可愛いとは言い慣れてる。
昔は…まぁ、いろいろやってたからそんな事言われなかったけど、中3くらいからそう言われるのはしょっちゅう。
俺は男だっつーの!て怒ったこともあったけど、今ではまぁいいやと思う。
「へへっかわいーでしょ!僕の彼女!!」
そう言ってりんご飴を受け取る。