カランコロンと下駄を鳴らして歩く。
お祭りは結構人が多い。
「せ、先輩、浴衣着てきたんだ」
さっきのアクシデントから少しギクシャクしてたけど、隼人くんが口を開いた。
「あ、う、うん。一応お祭りだし」
そう言うと隼人くんはこっちを向いて、微笑んだ。
「すごく、似合うよ」
あたしの顔はやっぱり真っ赤になった。
「は、隼人くんさ」
「ん?なに」
あたしは恥ずかしくて隼人くんの顔を見れないから前を向いて話す。
「あたしのこと、褒めすぎだよ…」
隼人くんはあたしのことを良い人に見すぎだと思う。
そんなこと…全然ないのに。
昔の傷が、今さらうずく。
無意識にギュッと手を握る。
その時、