「あ~どうしよう!!!」
夏休みの宿題も、課題もほとんど終わった。
なのになんであたしがこんなに悩んでいるかというと…。
「何着て行こう!!」
部屋の中で一人でもんもんと考える。
そう、今日は8月4日。
隼人くんとお祭りに行く日だ。
だけど着ていくものが見つからない。
Tシャツとスキニーを着た。
なんだか普段着すぎる。
「うん、却下」
ピンクのレースのワンピースを着る。
これは前にお母さんから送られてきたのだ。
さすがフランス…ふりふりすぎる。
「これも却下」
ベットの上には洋服が山積みにされていく。
「あ~!!どうしよう!!」
その時、たまたま夏休み前に秋から借りた雑誌が目に入った。
なんとなくぱらぱらとめくると…
「…浴衣…か」
ちょうど浴衣の特集ページが目に入った。
浴衣なんて全然頭にもなかった。
あたしはお母さんの洋服の引き出しから、浴衣を出した。
昔お母さんがあたしが大きくなったら着れるようにと、自分の浴衣をしまってくれてい
た。
出してみると、紺地に大きい白いアジサイがキレイに咲いている。
「あれ?思ったより可愛い」
あたしはそれを持って啓太の家に行った。