隼人くんとは、ちょくちょくメールをしてる。
ていうか一方的に向こうからメールが来るんだけど…。
でも内容は大したことはない。
『今日は梅雨なのに天気が良かったね』とか
『購買のプリンが売切れてた』とか
『今理科室で内山(先生)の入れ歯が飛んだ』とか…
最後のなんて、授業中に来たからあたしは見たとたん噴き出した。
周りの人に見られて恥ずかしかった!!
で、たまに一緒に帰ろうメールとか、来るんだけど…。
「なに?」
あたしがスマホをいじっていると、隣から啓太が覗いてきた。
「お前、最近メールしてるの多いよな。誰としてんだよ?」
そんなことを言われた。
「別に誰とでもいーでしょ?」
そう言ってあたしはスマホに目を戻す。
「まさかアイツか?あのチビの1年」
啓太はそう言って怖い顔をする。
なんでそんな顔するのかな?
「啓太、隼人くんのこと嫌いなの?」
隼人くん、いい子なのに…
あたしがそう聞くと、啓太は困ったように考えながら言った。
「き、嫌いではない。…でも」
「でも?」
「…きっと、ライバルだから」
啓太はそう言ってあたしの頭をガシガシ撫でた。
いきなりだった。
「ちょっ!痛いって!!」
「まぁ、とにかく今日はうちですき焼きだ。お前も来い!」
そう言って教室から出て行ってしまった。
一体なんだったんだろう。