ちょちょちょちょちょっと待って!

状況を整理しよう。

あたしの教室に急に隼人くんが現れて、一緒に帰ろうと言われて…。

今右手を掴まれて廊下を走っている。

って、ってか!!



「ちょっ!はっ!はやとくん!!」



早いって!!あたし運動苦手なんだけど~!!!!



「はぁはぁはぁはぁ」



あたしは靴箱でしゃがんで息を整えてる。

く、苦しい…。こんな走ったの久しぶりだ。



「真子先輩、もしかして運動苦手?」



あたしと違って全然息が切れてない隼人くんが、あたしの顔を覗いてそう言う。

喋れないからコクコクと首を縦に振った。



「そうなの?…ごめんね」



そう言ってしょんぼりする隼人くん。

そんな隼人くんにキュンとした。

でも周りを見て思った。みんながジロジロとあたしと隼人くんを見てる。

ちょうど帰る生徒の多い時間帯。しかも靴箱。




「ここだとゆっくり休めないから、外出よっか」



隼人くんもこの視線が気になったのか、そう言った。

頷いて靴を履き替え、2人で学校の門を出た。