「見て~原田先生にチョコもらった~」
5時間目が始まるちょっと前に戻ってきた真子。
その手にはチョコが握られている。
く、くそ~原田め、真子をチョコでつりやがって~!!
真子はチョコがものすごーく好きだ。
前ふざけて真子のチョコを食べた時は……ブルルッ!
思い出しただけで寒気がする。
「てか、真子カーディガンは?」
秋が数学の教科書を出しながらそう言う。
そういえば…
「まだ寒いだろ?どーしたんだよ?」
さっきまでは着てたはず。
なのに戻ってきたら着ていない。
「え?あ、えっと友達に貸してきたの」
真子も自分の机から数学の一式を取り出す。
「カーディガン貸すっておかしくないか?」
俺は真子の目を見て聞いた。
「そ、そんなことないよ~」
そう言って真子は目を逸らした。
おかしい!!絶対おかしい!!
真子からいろいろ聞き出そうとしていたらちょうどチャイムが鳴った。
「ほ、ほら!早く席戻なよ!」
真子がほっとしたようにそう言う。
くっそ~あとでぜってー聞き出してやる!!
授業中の真子は至って普通だった。
いつもと変わらず、普通にノートに黒板を写している。
なんだか最近真子の様子がおかしいときがある。
いや、周りから見れば普通なんだろうけど、昔から真子を見てる俺には分かる。
5、6時間目は真子のことを考えてたらあっという間に終わった。
そして帰りのHRも終わった。