ピロロンピロロン



ある夜、俺のスマホに珍しく着信があった。

画面を見るとこれまた珍しい人だ。

俺は通話ボタンをタッチした。



「はい、隼…」



「隼人くん~!!!」



名前を言う前に先に名前を言われた。



「元っ気~?久しぶりねぇ!」



このパワフルな話し方。俺の知り合いには一人しかいない。



「真子先輩のお母さん、お久しぶりです」



そう、真子先輩の母親だ。

前に番号を交換して、たまーに連絡が来たりした。

それにしても、いつもにも増してテンションが高い。



「隼人くん、真子とくっついたんだって?良かったわねぇ!」



「え!?」



それを聞いて顔が赤くなる。

だって先輩と付き合ってまだ2日だ。

なんで先輩のお母さんが知ってるんだ?

あ、真子先輩が言ったのかもしれない。

俺が疑問に思ったのが分かったみたいで、先輩のお母さんは笑った。