久保山先輩に、戸川先輩が校長から卒業証書を受け取って行く。

そして、真子先輩の番のとき、俺は目頭が熱くなった。

背筋を伸ばして壇上に上がる先輩は、本当にキレイだった。

目が、離せなかった。

卒業証書を受け取って先輩が振り返った時、目が合った。

こういう時だけ、クラスの男子で一番背が低くて良かったと思う。

俺はみんなにわからないくらい小さく手を振った。

すると先輩もニコッと微笑んでくれた。

それだけで、俺は幸せだった。