「真子先輩、忘れ物なーい?」



「大丈夫!切符持ったし、お財布持ったし!」



大きい荷物と小さいショルダーのカバンを持って玄関で靴を履く。

そこで隼人くんが心配そうにあたしを見る。



「隼人くん大丈夫だって!昨日ちゃんと持ち物チェックしたもん」



あたしはそう言って立ち上がる。



「じゃあ先輩、楽しんできてね」



隼人くんがそう言って手を振る。



「行ってきます」



あたしは玄関のドアを開けた。



「真子ちゃーん!!」



けど、そんな声が後ろから聞こえたから振り返る。

そこには今起きたばっかりの賢一さんが洗面所から走ってくる。



「あ、賢一さん!行ってきま…」



「これ!忘れ物!」



そう言ってあたしの手に渡してきたのは…



「あ、携帯。さっき洗面所に置いたっけ」



横を見れば隼人くんが何とも言えない目であたしを見てる。

は、恥ずかしい。



「こ、今度こそ行ってきます!!」



あたしは急いでドアを開けた。



「「いってらっしゃーい」」



2人に見送ってもらって家を出る。