今日は大学のセンター試験。
先週、秋が専門に合格した。
あとはあたしと啓太。
「なんか緊張するな」
電車の隣に座っている啓太がボソッとそう言う。
「ちょっと!そう言うこと言わないでよ!」
なんだか余計に緊張してきた気がする。
「わ、悪い。でもなんか言わないと気持ち悪くてさ」
そう言いながら参考書を開く。
周りを見渡せば、今からセンター試験に行く人達ばかりだ。
2人で緊張しながら会場まで行く。
「が、頑張ろうな」
会場の教室に入る前、啓太がそう言う。
なんだかすっごい緊張している。
あたしは会場に入ったらなんだか落ち着いてきた。
啓太が心配だ。
「ね、手貸して」
そう言うと啓太は手を出した。
あたしは啓太の手を持って掌に『合格』と書いた。
「はい!これで大丈夫」
そう言って啓太の背中をパシッと叩く。
「イッテー。でもちょっと緊張とけたかも」
啓太はニッと笑った。
そしてあたしと啓太は試験教室に入って行くのだった。