「おのれ~原田め~」
今あたしの目の前で啓太がウーウー唸り声を上げている。
なんだか小型犬に見える。
あたし久保山秋。
黒いショートカットで、ちょっと釣り目だから結構怖そうって思われてるけど、実際は結構な人見知りでしゃべれないだけ。
でも小学校の時、真子と啓太はフツーにしゃべりかけてくれたっけ。
教室で一人だったあたしに、一緒に遊ぼうって誘ってくれたっけ。
懐かしいな~。
そして目の前の啓太を見る。
啓太は真子のことが好きだ。
それを知ってるから、2人を見てると面白い。
今だに唸ってる啓太を見て笑う。
「何笑ってんだよ」
あたしが笑ってるのに気付いて啓太がそう言う。
「ううん、なんでもない!」
あたしは2人が大好きだ!