「賢一くんも隼人くんも遠慮しないでね!ご飯おかわりいる?」
「あ、じゃあお願いします」
「いただきます」
戸川先輩のお母さんがお茶碗にご飯をよそってくれた。
「ありがとうございます」
俺は少しで良いって言ったから茶碗に少しよそってもらった。
それに比べて…
「わぁ!賢一兄ちゃんのすっごい大盛り!!」
戸川先輩の弟の大樹くんが兄貴の茶碗を見てそう言う。
お茶碗にこれでもかってくらい大盛りによそってある。
「母さん、俺も」
戸川先輩の茶碗にも兄貴と同じくらいご飯を盛る。
するとそれを見た兄貴が、
「大樹くんもいっぱい食べないと、隼人みたいにちっちゃいまんまだぞ」
そんなことを言った。
大樹くんは一度俺を見て、眉をひそめる。
「や、ヤダ!僕は兄ちゃんや賢一兄ちゃんのように大きくなるんだ!」
そう言って自分のお茶碗に残っていたご飯をバクバク食べて、
「お母さんおかわり!!」
元気な声でそう言った。
「…くっそ、俺だっていっぱい食べるのに」
俺は悔しくてよそってもらったばかりのご飯を急いで食べた。
そして、
「おかわりください!!」
空いた茶碗を高々と掲げた。
そんな俺たちのやり取りを見て、みんなが笑ってた。