夕飯を食べていたら母さんが口を開いた。



「この前近くのマンションであった火事、放火だったらしいじゃない」



そう言われて俺は母さんの方を見た。



「え?まじで?知らなかった」



そう言いながら隣でナポリタンをズズズーっとすすってる大樹を見る。

あ~口のまわりベタベタ。

父さんは仕事で今日は遅くなるらしい。

俺もナポリタンをフォークでくるくる巻く。



「それでね、そこに住んでた子が今真子ちゃんちで新しいマンションが出来るまで一緒に住んでるんだって」



そう言われてフォークが止まる。



「な、なんだよそれ。俺初めて聞いたぞ」



フォークを置いてコップのお茶をごくりと飲む。

すると母さんはニヤッと笑う。



「あら、知らなかったの?可愛い男の子とカッコイイお兄さんの兄弟よ?」



そう言われてえぇ!?と思う。



「お、男なのか!?」



だ、だだだだだって!さっき母さんは一緒に住んでるって言ってた。

だからフツーに女だと思ってたのに…。



「昨日3人でうちに来たのよ。少しの間よろしくお願いしますって」



昨日は俺は笹山とか先輩とか集めてサッカーをやりに行っていた。

その時に来たのか!!



「僕、見たことあったよ!ちっちゃい方の人!」



大樹がケチャップでベタベタの口でそう言って笑った。

大樹が見たことある人?