コンコン
ノックの音が聞こえた。
「はい」
そう言うとドアがガチャリと開く。
「隼人くん、お風呂出たよ~」
そこにはお風呂上りでほっぺが赤い先輩がいた。
今日のお風呂は歳順に入ることにしてたから最後が俺だった。
「う、うん。ありがと」
俺は照れた顔を隠しながらさっき買ったばかりの下着と、先輩のお父さんのジャージを持って部屋を出る。
「あ、お風呂出たらお湯流しちゃっていいよ」
「うん、わかった」
俺がそう言うと先輩はニコッと笑う。
「じゃあおやすみ」
そう言って先輩は俺の部屋の隣の部屋のドアノブに手をかけた。
「え、えぇ!?先輩の部屋ってそこ?」
先輩は不思議そうに俺を見る。
「うん、そうだよ?隼人くんの隣の部屋」
そう、俺の部屋の隣は先輩だった。
反対側の隣は兄貴だから3つ部屋が並んでるうちの。
俺の部屋は真ん中だった。
「そ、そうなんだ。お、おやすみ!」
俺はそう言うと階段をばたばたと降りて、さっき教えてもらったお風呂場まで走った。
先輩が隣の部屋で寝てるなんて…
「…俺、寝れるかな?」
そんな独り言をつぶやいた。