隼人くん達2年生が修学旅行に行って2日目の夜。



『明日はクラスでバナナボートだよ!去年先輩が落ちたって言ってたやつ(笑)』



そんなメールが来てあたしは恥ずかしくなった。

そう、去年あたしもバナナボートに乗った。

でも見事振り落とされて、泳げないあたしはインストラクターの人に助けられた。



『隼人くんも落ちないようにね!明日も楽しんで☆』



そうメールを送って眠りについた。

そして朝起きて、支度をしている時だった。

遠くから消防車のサイレンの音が聞こえた。

最初は何にも考えずにいたけど、それは徐々に近づいて来た。

少し気になって家のベランダから外を見た。



「え?あの辺って…」



家と家の隙間から、黒い煙が見える。

でもあの辺は確か隼人くんちの近くだと思う。

あたしはいてもたってもいられなくてすぐに家を出た。

そして…



「う、嘘でしょ?」



目の前で隼人くんちのマンションが燃えている。

主に1階から2階部分が。

消防車が10台くらいあって、消火している。

救急車も、パトカーもいた。

隼人くんはいないけど賢一さんは!?

あたしはキョロキョロとあたりを見渡す。

そして、救急車の近くで救急隊の人と話している賢一さんを見つけた。