「えっ!?あの時の子が隼人くんだったんだ!」
なんとなく覚えている。
中3になったばかりの頃、近所の公園を通り過ぎようとしたとき、
喧嘩を目撃した。一方的に一人を攻撃している感じ。
思わず助けに入ったっけ。
そう思い出してなんとなく空手をやっていた時が懐かしく思えた。
「俺、先輩に一目ぼれだったんだ」
そう言ってふわっと笑う。
あたしの顔は赤くなる。隼人くんのその笑顔には弱い。
「また、先輩とこうして話せて嬉しい」
そう言われてあたしも微笑む。
「あたしも…嬉しい。本当にありがとう」
あたしと隼人くんはお互い笑いあった。