隼人くんは2人を倒した後、自分の着ているブレザーを脱ぎながら近づいてきた。
そのブレザーを肩にそっとかけてくれた。
後ろに回って縛られていたネクタイを解いて、そのまま後ろからあたしを抱きしめた。
そして…
「何で?真子先輩強いだろ?」
そう言った。
あたしはそれを聞いて目を見開いた。
「え?どいう…」
「あんな奴ら、先輩なら簡単に倒せただろ!?」
そう言われてあたしは驚く。
「な、んで…知って…」
「空手、強いんだろ?なんで使わなかったんだよ!!」
まさか、隼人くんが知ってるなんて思わなかった。
3年前まで、あたしが空手をやってたことを。
しかも、かなり強かった。優勝だっていっぱいした。
でも…
「中学3年の大会…あたしが背負い投げした相手が…怪我したの」
そう、あれは中学3年の最後の大会。