体育祭が終わり、教室に戻るとクラスの人たちがあたしを見てニヤニヤしてる。
「よっ!モテ子ちゃん!」
「いいなぁ~松永君にあんなこと言われて~」
それを言われてるあたしの顔は真っ赤だ。
もうこれ以上その話題に触れないでほしい。
「真子良かったじゃん」
秋があたしのところに来てそう言う。
「正直…嬉しかった」
隼人くんがそう言ってくれて嬉しかった。
でも…
「…栗原さんねぇ」
秋が独り言のようにそう呟いた。
そう、問題は栗原さん。
「あたし怖いよ。今度また秋とか啓太に何かれさたら…」
また秋のように階段から落とされたら?
もっとひどいことされたら?そう思うと体が震える。
秋はあたしの頭を撫でた。
「大丈夫。あたしがなんとかするからさ」
そう言ってニッと笑った。
「なんとかって…何するの?」
あたしが聞くと秋はあたしの背中をポンポンと叩く。
「危ないこととかしないから心配しなくて大丈夫!真子は普通に過ごしてて!」
秋の顔を見てちょっと安心する。
そして帰り、秋はちょっと寄るとこがあるとか言って別に帰って行った。
啓太も大ちゃんの迎えを頼まれたらしく、別に帰ることになってしまった。