あまり体育祭を頑張る気分じゃなかったけど、ここで頑張らなかったらみんなに悪い。
そう思いながらお題リレーの代表者が集まるテントに行く。
そこには戸川先輩もいた。
パチリと目が合う。俺は咄嗟にぺこっとお辞儀をした。
すると戸川先輩はなぜか俺の方に向かってきた。ズンズンと。
こ、怖い!!俺は一歩後ろに下がったけど遅かった。
戸川先輩に肩をガシッと掴まれた。そして、
「ここで俺らが上位だったら2組が優勝だ」
真剣な顔でそう言う。
え?と思って得点板を見る。
確かに、今2組は2位で、少しの差で1位が4組だ。
てっきり真子先輩のことを言われると思ったけど、そんなことはなく戸川先輩は俺の肩に
手を回す。
「頑張ろうぜ!」
そう言ってニッと笑った。
やっぱ先輩の近くにいる人は、いい人たちばっかだな。
そう思う。
「そうですね!優勝しましょう!」
俺もそう言って笑った。
『位置に着いて、ヨーイ』
パンッというピストルとともにみんな一斉にスタートした。
目指すのは100メートル先のBOX。
やっぱり俺と戸川先輩はとびぬけて早い。
あっという間にBOXのところに来てお題が書いた紙を引く。
「げっ!まじかよ!?」
戸川先輩がお題の紙を見て顔を青ざめた。
そして…
「だ、誰か!ふんどししてる人いませんか!?」
そう叫びながら観客の人たちに声をかける戸川先輩。
え?お題ってそんな難しいの?
俺はそう思って恐る恐る紙を開く。
そこの書いてあったものは…