「2組優勝絶対取るぞ!!!」
「「「おおぉぉぉ~!!!!」」」
主将の掛け声とともにみんな地響きのような声を出す。
今日は体育祭。9月は雨ばっかりで延長延長延長で結局10月中旬になってしまった。
「ちょっと寒いよね」
隣の秋が体をさすりながらそう言う。
「うん、あたし鳥肌立ってきた」
自分の腕をさするとブツブツという感触がする。
本当に寒い。
「お前ら!気合だ!気合が足りないから寒いんだ!」
啓太があたしと秋の背中をバシバシ叩く。
この前の啓太のいきなりの告白にはかなり驚いた。
でもあれからも変わりなく接してくれる。
「真子!今回もお前の走りに期待してるぞ」
そう言ってニヤリと笑う。
本当に、意地悪。
「あたしが抜かされた分、啓太が取り返してね」
そう言うと、啓太は自分の胸をドンと叩いた。
「任せとけ!」