ここ数日、真子の様子がおかしい。
元気がないっていうか、いつも上の空。
「おい、帰るぞ」
ボーっとしてる真子に声をかける。
「あ、うん」
そう言ってのそのそと机の中の物をカバンにしまう。
今日は秋は委員会。なんか知らないけどこの前秋に、
『当分の間、真子の近くにいてあげて』
そう言われて俺たちは毎日一緒に帰っている。
最初はよくわからないけど、最近なんとなくわかってきた。
ちょくちょく姿を見せていた松永が、ここのとこパッタリと姿を見せなくなった。
きっとそのことが原因だとは思う。
帰り道、いつも通る公園で不意に昔のことを思い出した。
「なぁ、真子」
「ん?」
急に止まった俺を、真子は不思議そうに見ている。
「…久々に、ブランコ乗らないか?」
そう言うと真子はふふっと笑う。
「懐かしいね、乗ろうか」
2人でブランコに乗る。
この時間帯は公園にあまり人がいないみたいだ。