朝、学校に行くと教室内が騒がしかった。
HRも始まってないのに担任がいるし、机が倒れたりしている。
すると、今年も同じクラスの健太が俺のところに駆け寄ってきた。
「おい隼人、お前が最近よく一緒にいる先輩いるじゃん?」
いきなりそんなことを言われてびっくりする。
「…あぁ。それがどうしたんだよ?」
なんだか嫌な予感がする。
「今さっきここに来て、栗原さんをいきなり押し倒して喧嘩になったんだよ」
それを聞いてびっくりする。
だって、あの真子先輩が?
「そっ、それで先輩どこ行ったんだよ!」
健太の肩を揺さぶる。
「す、すぐに教室から出てったよ」
それを聞くと同時に俺は教室から飛び出した。
真子先輩…
俺は走って学校中を回った。
すると、人通りが少ない校舎の廊下でうずくまってる先輩を見つけた。
「真子先輩?」
そっと呼ぶと、少し肩をビクッとさせて顔を上げた。
「…隼人…くん」
顔は青白くて、今にも倒れそう。
そして先輩は俺の顔を見ると、ポロポロと涙をこぼし始めた。