「あれ?なんだろう」
朝、学校に行くと自分の靴箱の中に何やら手紙らしきものが入っている。
ガサガサと手紙を開く。そこには
『忠告・松永隼人と仲良くしないこと。さもなくば…』
そんなことが書いてあった。
これを書いた人はだいたい察しがつく。
多分…栗原さん。
あたしは手紙をクシャっと丸めて捨てた。
それから何日かして、たまたま移動教室で隼人くんに会った。
「先輩!今から音楽?」
あたしの持っていた音楽の教科書を見て言う。
「うん!隼人くんちは…」
「理科だよ!入れ歯の山内!」
隼人くんがそう言った瞬間思い出した。
確か授業中に入れ歯が飛んだって前メール来たっけ。
「ふふ、今日は入れ歯飛ばないといいね!」
そう言って笑うと何やら視線を感じた。
急いで振り向いてもそこには誰もいなかった。
「先輩どうしたの?」
隼人くんが不思議そうにあたしを見る。
「ううん、なんでもない」
気の…せいだよね?
その日の帰りもたまたま隼人くんと下駄箱で会ったから一緒に帰った。
その時も、なにやら視線を感じた。
「真子先輩?なんかさっきからおかしいよ?」
あたしがなんだか落ち着かないから隼人くんがそう聞いてきた。
「あ、ごめん!なんでもないよ」
あの時、隼人くんに相談すればよかったのかな?
そうすれば、こんな苦しい思いはしなかったのかな?