「暑いなぁ…」
夏休みも明けて3日。残暑が続いている。
今年の夏休みは楽しかった。
真子先輩と旅行に行けたし、それ以外にも遊んだ。
だんだん先輩との距離が近づいてきたのがわかる。
俺はスマホを出して写真を開いた。
開くとこの間の旅行の写真が出てきた。
俺と先輩と兄貴と3人でヒマワリ畑で撮った写真。
…真子先輩、可愛い。
写真を見ただけで顔が赤くなるなんて、俺はどんだけ先輩に夢中なんだろう。
「…なに?隼人、夏休み七海先輩と遊んだの?」
急にそんな声が耳元で聞こえた。
俺は携帯を裏返す。
「勝手に見るなよ」
そこには仁王立ちしている栗原がいた。
やけに機嫌が悪そう。
「別にお前には関係ないだろ」
そう言うと栗原は俺の席の隣に座った。
早くどっか行けよと思ったけどさすがにそれは言えない。
「ねぇ、七海先輩と付き合ってるの?」
そう聞かれた。
あ~コイツと話すのめんどくせぇ。
「…うるせぇ」
俺はそう言って教室を出た。
その後栗原がニヤリと笑っているのには気づかなかった。