「大ちゃんいい?あたしと絶対手、離しちゃだめだからね」



「はーい!!」



6歳になった大ちゃんは、去年より少ししっかりした。

背も少し高くなって、泣き虫だったけど、すこし強くなった。

子供の成長は本当に早いと思う。

今にこうやって手も繋いでくれなくなるんだなと思ったら寂しくなった。



「真子ちゃん?どうしたの?」



大ちゃんが心配そうにあたしの顔を覗いてきた。

あ~ダメダメ!今からそんなこと考えちゃダメ!



「ううん!なんでもない!行こうか」



「うん!」



あたしは台所にいるおばさんのところに向かう。



「おばさん、行ってくるね」



そう言うとおばさんはスリッパをパタパタさせながらこっちに来た。



「ごめんね~真子ちゃん。大ちゃん、ちゃんと真子ちゃんの言うこと聞くのよ」



「わかってるよ!あと真子ちゃんは僕が守るから!」



そう言って今はやりのニンニンジャーのポーズをする。

ホント可愛い。



「啓太にはあとで行かせるから」



そう。本当は啓太と大ちゃんと3人で行くはずだった。

けれど、最近行きはじめたバイトが急きょ入ってしまったらしい。

近くのカフェって言ってたけど、今度秋と行ってみようと思う。



「うん分かった!じゃあ行ってきます」



「行ってきまーす!」



今日は大ちゃんとだし、動きやすいように私服にした。

浴衣じゃ動きにくいもんね。

甚平を着た大ちゃんと手を繋いで啓太の家を出る。



「大ちゃん、楽しみだね~」



「うん!僕りんご飴食べたい!」



りんご飴と言えば、去年お祭りで会った時、ちょうど大ちゃんがりんご飴を

落として大泣きしていたな。去年なのになんか懐かしい。



「そうだね!今度は落とさないように食べようね」



「うん!」



大ちゃんの元気な返事に、自然と頬が緩む。