……
ここは、どこ?
どこを見渡しても真っ白。
その時、
「隼人」
後ろから男の声が聞こえた。
でも聞いたことがある。懐かしい声。
俺はおそるおそる振り向いた。
「…お、お父…さん?」
そこにはお父さんがいた。
昔から何にも変わってない。
「大きくなったわね」
お父さんの後ろから女の声がしたと思ったら、すっと誰か出てきた。
「お母…さん」
そう、お母さんだった。
お母さんも何にも変わってない。
当時のまま。
「元気にやってるみたいで良かったぞ」
お父さんがそう言ってニッと笑う。
その笑顔を見たら急に涙が出てきた。
「お、お父さん、お母さん、会いたかった…」
俺はお父さんとお母さんのもとに走る。
2人は俺を抱き止めてくれた。
「隼人、寂しい思いさせてごめんね」
お母さんがそう言いながら俺の頭を撫でる。
その行動にさらに涙が出てくる。