「わ~!!あそこ!牛がいる!!!」
「ホントだ!先輩、向こうには馬がいるよ!!」
助手席の真子ちゃんも後部座席にいる隼人も窓を開けて外を見ている。
「2人ともあんま窓から顔出すな!危ないから!!」
俺がそう言うと、
「「はーい」」
2人はそう言って窓を閉めた。
自宅から2時間、やっと山梨に入った。
俺は運転をしながらこの間のことを思い出した。
「今年の墓参りさ、真子先輩も連れてっていい?」
急に隼人がそんな事を言うから驚いた。
話を聞けば、俺たちの昔の話は桑原さんが真子ちゃんに話したらしい。
今まではずっと2人で行ってたお墓参り。
行けば嫌なことしか思い出せない。
今回真子ちゃんが行くのは良い機会かもしれない。
そう思って俺は真子ちゃんを連れて行くのを承諾した。