「おい!今日クレープ食べ行かねぇか?」



「いいね!行きたい!!」



授業が終わって帰りのHRの前、秋と啓太がそう言いながらあたしの席に来た。



「ね!真子も行くでしょ?」



ニコニコと秋があたしに聞いてくる。



「あ、あたしちょっと今日用事があって…」



そう言うと啓太が眉を歪めた。



「用事?お前にしちゃ珍しいな」



何か怪しんでるようにあたしを見る。

啓太って意外と鋭いとこあるんだよね…。

平常心平常心と自分に言い聞かせる。



「うん、だからあたしはパス!」



そう言うと秋が残念そうな顔をした。



「そっか~。じゃあ啓太、2人で行こっか」



「ん~まぁ、そうだな」



啓太がまだ怪しげな視線を送ってきたけどちょうど教室に原田先生が入ってきた。

ナイスタイミング原田!!

そしてHRが終わり、秋と啓太と別れて、あたしは中庭に向かった。

放課後の中庭はとっても静かだった。

その奥の木に隠れるようにベンチが置いてある。

ベンチにそっと腰を下ろす。春の風が気持ちいい。