机の上の携帯のバイブが鳴った。
来たメールを開くと隼人くん。
『今から家出るよ~』
それを見てあたしはもう一度鏡の前に立った。
白いキャミソールに黄色い薄手のパーカー。
下はデニムのミニパンツ。
少しおしゃれな麦わら帽子をかぶる。
「よし!」
独り言を言い、荷物を持って玄関でサンダルを履く。
ドアを開けるとムワッと夏独特の熱気が体中を覆う。
「あっついな~」
そう、今日は隼人くんと賢一さんと山梨に行く日。
1泊2日の予定だ。
山梨は少しは涼しいといいな~。
そんなことを思っていたら、家の前に白い車が止まった。
助手席のドアを開けて隼人くんが出てきた。
「先輩おはよ~荷物持つね!」
そう言ってあたしの荷物を持つ。
「隼人くん、ありがと!」
「へへ!俺今日楽しみ過ぎて寝れなかったんだ!」
ニコニコと笑う隼人くん。
「あたしも楽しみだった」
そう言うと隼人くんはさらに笑った。