昨日雨が降ったからジメジメしている。

今日は土曜日、午後から雨って予報だから天気もあまりよくない。

雨が降らないうちにスーパーに行ってこようと家を出た。



「豚肉と、しょうがと、玉ねぎと…今日はしょうが焼きにしよう!」



そんな独り言を言いながらスーパーまでの近道の公園を通っていると、

その途中のベンチで見たことがある人を見つけた。

あの強面の人は…桑原さん。



「こ、こんにちは」



知らんぷりで目の前を通るのも失礼だと思ったから一応挨拶をした。

きっと勤務中なんだろうけど、ベンチで煙草を吸っていた。



「おっ!隼人のカノジョじゃん!」



そう言ってポケットから携帯灰皿を出して吸っていたタバコを入れた。



「彼女じゃないです」



そう言って桑原さんを見るとなぜかコイコイと手招きをしている。

なんだか怖くて行きたくないけどしょうがない。



「ジュースおごってやるよ、自販で好きなの買ってこい」



そう言ってあたしの手に120円を乗っけた。



「え?あ、いいですよ!」



断ろうとすると桑原さんがいいのいいのと言ってあたしの背中を押す。

あたしはしょうがなくすぐそばにあった自販機でオレンジジュースを買った。

そしてポンポンと隣の席を叩いている桑原さんのもとに戻り、お礼を言って隣に座る。



「いただきます」



「おう!」



あたしは缶の蓋を開けてオレンジジュースを流し込む。

冷えてて美味しい。