ゆっくりと目を開ける。

カーテンの隙間から光が見えた。

そしてなんだか瞼が重い。

あぁ、そっか。俺昨日泣いたんだった。

試合に負けて…悔しくて。

真子の声聞いたら止まんなくなって…

それから…それから?

そう思って起き上がろうとしたら、なにやら胸らへんに違和感を感じた。

ゆっくり視線を下げると…



「っっ!!!」



ハッとして目をめいっぱい開ける。

そこには俺に抱き着いて眠る真子がいた。

スースーと気持ちよさそうな寝息が聞こえる。

それを見て俺は考えた。

そうだ!昨日真子の家に来てから帰った覚えがない。

真子の前で泣いて、抱きしめて…そのまま寝たんだ。

俺は急いで真子を起こそうとした。

でもあまりにも気持ちよさそうに寝てるから起こせなかった。

まぁいいや、俺ももう少し寝よう。

そう思って瞼を閉じようとしたとき、ちらりと時計が見えた。

時計はもうすぐ7時を差そうとしている。

そっか。もう朝なんだ。7時か…7時…



「7時っ!!?」



今日も部活が8時半からある。

副部長だから遅れるわけにはいかない。

しかも昨日の今日だし、笹垣も心配だし。



「真子!真子!!」



真子を起こさないわけにはいかない。

しょうがなく肩を叩いて起こそうとする。



「ん、う~ん」



「っっ!!」



寝ぼけているのか真子はさらに俺の体に抱き着く。

う、嬉しいけど今はそんな喜んでる暇はない。