学校に帰るまでのバスの中はまるでお葬式だった。
笹垣は自分が外したせいだと、泣いた。笹垣が泣いたのを見たのは初めてだった。
チームメイトの言葉に少し落ち着きを取り戻して今俺の隣で寝ている。
俺たち3年はこれで終わりだ。
俺はバスの中でこの3年間の部活を思い出していた。
そして学校に着くと、今日はそのまま解散になった。
反省会や、片付けは明日でいいという監督の計らいだった。
「今日はお疲れ。また明日な」
笹垣や、他の部員にそう言って俺は家に帰るまでの道のりを歩いていた。
そして…俺は足を止めた。
「…真子?」
真子の家の前に、真子が座ってる。
そして俺に気付いたのか立ち上がった。
「…おつかれ」
真子がふわっと笑って優しい声でそう言う。
俺はあの試合が負けた時は泣かなかった。
悔しかったけど、我慢した。
でも真子の声を聞いたら、急に今までの悔しさが押し寄せてきた。
「…ごめん、しばらく真子んちいていいか」
俺、かっこ悪。
俺が俯いてそう言うと、真子はいいよ、と言ってくれた。