ピーーーーーーーー
前半戦が始まった。
南田高はいつも県ベスト4には入る強豪だ。
それに比べて星城は今まで最高がベスト16。
さっき真子にもらったお守りは右ポケットに入っている。
まさか真子からそんなサプライズがあるなんて思わなかった。
俺は少し笑ってそれから前を見た。
今は試合中。この試合、絶対勝ちたい。
前半戦はお互い防御戦だった。
0対0のまま後半を迎える。
「パス!!」
相手ゴールの右側に主将の笹垣がいる。
「笹垣!!」
俺は笹垣にパスをした。
そしてシュート…おしくもゴールの枠に当たる。
観客席からため息が聞こえる。
そしてそのまま後半40分が経とうとしていたころ。
「「「「うおぉぉぉーーーーー!!!!」」」」
観客席から歓声が上がる。
南田高が1点を先取したのだ。
2年でキーパーの桜井が悔しそうに地面に這いつくばる。
俺は桜井のところに行く。
「す、すみませんっ」
「まだ終わってないぞ。ほら、立て」
そう言って桜井を立たせて背中を叩く。
「大丈夫。俺が決める」
観客席を見る。真子が心配そうにこっちを見ている。
そして1回深呼吸をして、自分のポジションに着いた。