「真子~お待たせ!」



土曜朝の8時、秋と学校前で待ち合わせた。



「おはよ!晴れてよかったね!」



そう言って2人で駅に向かって歩き出した。

今日は啓太のサッカーの大会。

まだ6月頭だから梅雨ではないけど、心配してた雨も降らずいい天気。



「星城はたしか10時からだっけ?」



電車に乗って、秋が鏡を見ながら聞いてきた。



「うん、そうだよ!南田高とだね!」



選抜サッカーと書いてあるパンフレットを見ながらあたしは言った。

試合会場は電車で1時間くらいの場所。

ちょうどいい時間に着きそうだ。

そして9時過ぎ、会場に到着した。



「結構人がいるねぇ」



「南田高校は強豪らしいからね」



周りを見渡すと、『南田高校』と書かれたタオルやら旗を持ってる人が多い。

なんだかこっちが緊張してきた。



「啓太いるかな?見に行って見る?」



秋が星城が練習をやっている方を指さして言った。



「うん、あたし啓太に渡したいものあるんだよね」



そう言ってカバンから取り出したのは…